毎日奮闘している看護師の中には、同僚からのいじめに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。特に新人看護師として慣れない職場環境の中、理不尽な叱責や無視などを受けるのはとてもつらいことですよね。
こうした看護師同士のいじめ問題は残念ながら珍しくなく、ある調査では看護職員の約3割が「職場でパワハラがある」と回答しています。先輩からの厳しい叱責にさらされ続けると「自分が悪いのかも…」と自信を失ってしまうこともありますよね。ただ、それはいじめをする側に問題があるのであって、あなたのせいではありません。決して一人で抱え込む必要はありません。適切な対処法を知り、行動を起こすことで状況を改善できる可能性があります。
本記事では、新人の方を中心に、看護師間のいじめ対処法について行政書士の視点からやさしく解説します。いじめの解決に向けて、特に内容証明郵便を活用した対処法を詳しく取り上げ、そのほかの具体的な対処策もご紹介します。つらい状況に寄り添い、少しでもあなたの助けになる情報をお届けできれば幸いです。
看護師の間で起こるいじめの特徴
まず、看護師の職場ではどのようないじめが起こり得るのか、その主な特徴を確認しましょう。新人看護師へのいじめからベテラン同士の派閥争い、陰湿な嫌がらせまで、さまざまな形態があります。以下では、代表的ないじめの例を3つ挙げてみます。
新人いじめ
新人看護師に対し、ミスを必要以上に厳しく責めたり、執拗に叱責するケースです。場合によっては挨拶をしても無視される、人前で過度に叱られるといった理不尽な扱いを受け、新人が萎縮してしまうことがあります。
本来、指導の名目であっても度を越せば立派ないじめです。新人は仕事に不慣れでわからないことがあって当然ですが、それを許容せず萎縮させてしまう職場風土は改善が必要でしょう。
ベテラン同士の派閥争い
経験豊富な看護師同士で派閥やグループができ、互いに競い合ったり、気に入らない同僚を排除しようとするいじめです。たとえば、ある派閥に属するスタッフが別の派閥のメンバーに協力をしなかったり、陰で非難し合ったりすることで職場の雰囲気が悪化します。
看護チーム内で分裂が生じると、患者さん最優先の現場に関係のない人間関係の対立で周囲も気を遣い、職場全体が疲弊してしまうでしょう。
陰湿ないじめ
表立っては分かりにくい形で行われる嫌がらせです。本人のいない所で悪口や陰口を言いふらす、業務に必要な情報をわざと共有しない、挨拶や呼びかけを無視するといった行為が該当します。
こうした陰湿ないじめは被害者を孤立させるだけでなく、情報伝達の妨げとなり患者さんへのケアにも悪影響を及ぼしかねません。さらに、被害者の持ち物を隠す・盗むといった悪質ないじめが行われるケースもあります。これはもはや嫌がらせの域を超えた犯罪行為と言えるでしょう。
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看護師の間のいじめはなぜ起こるのか?
次に、なぜ看護師同士でいじめが発生してしまうのか、その原因を考えてみましょう。
看護の仕事特有の厳しい環境や人間関係が、いじめの背景にある場合が多いです。以下に主な要因を3つ挙げて解説します。
職場の閉鎖性
看護の現場は特殊なチームワークの世界で、外部から見えにくい閉鎖的な環境になりがちです。規模の小さい病院やクリニックでは人間関係が固定化され、新人や中途採用者が馴染みにくい職場もあります。
また、周囲と関わろうとしない排他的なスタッフやベテランが存在し、その人の影響力でいじめが発生するケースも少なくありません。こうした閉鎖環境では内輪の論理が優先され、新しく来た人が標的になりやすいのです。
業務の多忙・ストレス
慢性的な人手不足や業務過多により、看護師は常に時間と心に余裕がない状態で働いています。患者の命を預かる責任の重い仕事でミスが許されない緊張感もあり、夜勤を含む不規則な勤務で心身の疲労も溜まりがちです。
その結果、ストレスのはけ口としてイライラを周囲にぶつけてしまい、口調が荒くなる、態度がきつくなるといった形でパワハラやいじめに発展してしまうことがあります。忙しさによる心の余裕のなさが、いじめの温床になり得るのです。
力関係が強い風土
縦社会で先輩後輩の役割がはっきりしている看護の職場では、上下関係の圧力がいじめの温床となることがあります。先輩看護師は新人を指導する立場ですが、指導に熱が入りすぎるあまり命令口調や高圧的な叱責になる場合があります。
本来は教育のつもりでも、受け手にとっては萎縮するばかりでいじめと感じる状況です。このように上下関係が強い職場では、年下の看護師ほど標的にされやすい傾向があります。
看護師のいじめ対処法【内容証明郵便】
それでは、いじめへの具体的な対処の一つとして「内容証明郵便」を活用する方法を解説します。
内容証明郵便とは、郵便局が手紙の差出人・宛先・日付・内容を公的に証明してくれる郵便サービスです。
いじめを止めてほしいという意思を公式文書で伝えることで、相手や職場に強い警告と証拠を残すことができます。ここでは、内容証明郵便とは何か、誰に送るべきか、その効果と注意点について順に見ていきましょう。
内容証明郵便とは?
内容証明郵便は、簡単に言えば「いつ・誰が・誰に・どんな内容の手紙を出したか」を郵便局が証明してくれる特殊な郵便です。郵便局が差出人の用意した同内容の書面を保管するため、後から「そんなことは聞いていない」と相手に言い逃れされにくくなる効力があります。
主に法律的な通知や督促に使われ、例えば契約解除の通知や未払い給与の請求などで利用されます。職場でのいじめ問題でも、加害者や職場に対し、いじめの事実を指摘して改善を求める正式な文書として送付できます。
自分で作成して送ることもできますが、文面の形式や表現には決まりがあるため、専門家に相談しながら作成する方が安心です。
看護師間のいじめ問題に関する内容証明郵便はどこに送る?
いじめに対して内容証明を送る相手としては、状況に応じて以下のような選択肢があります。
- 加害者本人
いじめを行っている同僚や先輩個人に直接送付し、「いじめ行為を止めるよう要求する」旨を伝えます。本人宛ての警告書が届けば、相手は自身の行為が公的に記録されたことを知り、大きな心理的プレッシャーとなるでしょう。
- 職場の責任者へ
加害者が直属の上司であったり、個人に訴えても改善が見込めない場合は、病院の看護師長や人事担当部署、病院長など組織の責任者宛てに内容証明を送る方法があります。いじめの具体的事実と改善要望を書面で報告することで、職場全体として対処せざるを得なくする狙いがあります。
- 公的機関・設置者へ
勤務先が県立病院や国立病院等、公的機関が運営する職場の場合は、その設置主体にも訴えることを検討します。例えば県立病院であれば県の担当課、国立病院であれば運営法人の本部などに対し、いじめの実態を伝える内容証明を送付することで、より上位の機関から指導・調査してもらうきっかけになります。
どの宛先に送るべきかは職場の規模や組織体制、いじめの状況によります。判断に迷う場合は、行政書士など専門家に相談し、最適な送付先や文面についてアドバイスを受けると良いでしょう。
内容証明郵便による効果と注意点
内容証明郵便を送ることで期待できる効果としては、まず相手に対する強力な抑止力があります。行政書士など専門家の名前で正式な警告文が届けば、多くの場合それだけでいじめが収まるとされています。
職場側も書面が残ることで問題を無視できなくなり、事態の把握や再発防止に動きやすくなるでしょう。また、内容証明郵便を送付した事実自体が記録に残るため、後々「言った・言わない」の水掛け論を防ぐ証拠ともなります。
ただし、内容証明郵便は万能ではありません。送られた相手が逆上したり、職場で孤立してしまうリスクもゼロではないため、送り方やタイミングには注意が必要です。また、内容証明を送った後の状況悪化も見据えて、最悪の場合は部署異動や転職も視野に入れておくなど、自分の身を守る準備をしておきましょう。
内容証明郵便はあくまで「警告」であり、これで改善されなければ次の段階として労働審判や訴訟など法的措置に進むことも考えられます。そのため文面の表現や根拠の示し方が重要です。効果的かつ適切に行うには、当事務所を含めた行政書士など専門家に内容証明の作成を依頼し、アドバイスを受けることをおすすめします。専門家であれば、法に触れない適切な表現で相手に要求を伝える文書を作成してくれるので安心です。
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看護師のいじめ対処法【内容証明郵便以外】
内容証明郵便による対処は強力ですが、状況によっては他の方法も検討すべきです。普段からできる対処法として、職場内の相談制度の活用や証拠の確保、そして思い切って環境を変える(転職する)ことなどが挙げられます。それぞれについて説明します。
病院内の相談窓口・第三者相談機関の活用
つらい状況に追い込まれているときこそ、一人で抱え込まず誰かに相談することが大切です。まずは職場内で頼れる先輩や上司に打ち明けてみましょう。同じ病院にハラスメント相談窓口や人事担当者がいれば、そちらに正式に申し出て助けを求めるのも有効です。
複数の看護師が同じいじめに悩んでいる場合は、皆で一致団結して訴えれば職場も無視できなくなります。また、配置転換(部署異動)が可能であれば、加害者と離れる方法を考えてもらえないか掛け合ってみましょう。
社内で解決が難しいと感じたら、外部の公的機関に相談することも検討してください。各都道府県の労働局に設置された「総合労働相談コーナー」や厚生労働省の「労働条件相談ほっとライン」では、パワハラやいじめの相談を無料で受け付けています。
専門の相談員が状況を聞き、適切な助言をしてくれるでしょう。看護協会や労働組合が窓口を設けている場合もあります。一人で抱えず、第三者の力を借りることで活路が開けることも多いです。なお、2020年施行の改正労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)により、事業主は職場のハラスメント防止措置を講じる義務があります。職場のいじめを放置することは法律上許されません。適切に声を上げれば、職場として対応しなければならない時代になっています。
記録を残す(証拠確保)
いじめの証拠をしっかり残しておきましょう。日々起こった出来事を日時と共にノートや日記に記録する、受けた暴言はそのままメモしておく、メールやSNSのメッセージは削除せず保存するといった地道な対応が、後で大きな力を持ちます。可能であれば、スマートフォンのボイスレコーダーなどで音声を録音するのも有効です(※ただし録音は職場の規定に反しない範囲で行ってください)。
第三者に事実を証明してもらうには客観的な記録が不可欠なので、些細なことも記録しておくに越したことはありません。こうした証拠は、後で然るべき機関に相談する際や、内容証明郵便で警告する際にも役立ちます。
思い切って転職する選択肢も
いじめが改善されず、心身の限界を感じる場合は、思い切って職場環境を変えることも大切な対処法です。看護師は専門職であり、他の病院や施設でも常に求められる人材です。実際にパワハラが横行する職場で無理を続けた結果、退職を選ぶ看護師も少なくありません。
決して「逃げ」ではなく、自分を守るための前向きな決断といえるでしょう。新天地で働き始めることで人間関係がリセットされ、ストレスから解放されたというケースも多くあります。どうしても今の職場で状況が好転しない場合は、「転職」という勇気ある選択を検討してみてください。
最後になりますが、職場のいじめに苦しんだときは、自分を責めないでください。あなたが悪いわけではなく、問題があるのは環境やいじめを行う人の側です。解決策は必ずあります。勇気を出して行動を起こせば、状況はきっと変えられます。今回ご紹介した看護師いじめの対処法があなたの心を軽くし、一歩踏み出す助けになれば幸いです。
看護師間のいじめにお悩みの方へ
内容証明郵便による解決サポートはお任せください
看護師の職場で起こるいじめは、心身に大きな負担をかけ、仕事への意欲を失わせる深刻な問題です。
患者さんの命を預かる大切な仕事だからこそ、職場での人間関係がスムーズであることは非常に重要です。
しかし、閉鎖的な職場環境や厳しい上下関係、慢性的な人手不足といった要因から、看護師同士のいじめが発生しやすい現実があります。特に次のようなお悩みをお持ちの方、ぜひ一度ご相談ください。
- 必要以上に厳しく叱られたり、わからないことを聞いても無視されてしまう
- 同僚同士の派閥争いやグループ化により、協力を得られず仕事がしにくい
- 職場内での陰湿ないじめ(無視、悪口、情報の共有など)や嫌がらせに悩んでいる
- 相談しても改善されず、どう対処すればよいか分からない
- 転職も考えているが、次の職場でも同じ目に遭うのではないかと不安
- 具体的な証拠がなく、どう動けばよいか迷っている
手続の流れ
1.電話又はお問い合わせ
まずは、電話やお問い合わせにより内容証明郵便を希望されることをお伝えください。お問い合わせフォームをご利用いただく場合には該当する相談内容をご選択いただき任意の記入欄にその旨をご記入ください。電話をご利用いただく場合は、「9時から18時」まで承ります。
⑴ お電話によるご相談は→050-3173-4720(平日土日祝 9:00-18:00) ⑵ お問い合わせフォーム→こちらです。 |
2.契約書の作成と送付
原則として、電話による打ち合わせ後、当日中もしくは翌日にご提出させていただきます。お見積については電話による打ち合わせ時にお伝えさせていただくことが多いですが、見積が必要な場合には、契約書面の送付と同時にお送りします。
3.お支払い
お支払いは、契約後5日以内に当事務所が指定する金融機関口座にお振込みよる方法でお支払いただきます。
4.内容証明郵便の作成や変更・修正
お振込みいただいた後、約7日で内容証明案を作成しご確認いただきます。内容証明郵便の案文について変更や修正がございましたらその都度お伝えいただけますと、無料で手直しさせていただきます。(差出後の変更はお受けできませんのでご了承ください。)
5.内容証明郵便の差出
内容証明郵便の案文内容をご承諾いただけましたら、内容証明郵便を配達証明付で差出させていただきます。弊所では電子内容証明郵便により差出を行っておりますのでご確認いただいた後、即座に発送させていただいております。
6.書類の郵送
内容証明郵便が無事に相手に届くと、後日弊所に配達証明書や内容証明郵便の謄本が届きますので、それらの書類(以下、ご参照ください。)を全てご依頼者様にご返送させていただきます。
【郵送書類】
- 内容証明郵便の謄本 計1通
- 配達証明書 計1通
- 領収書 計1通
- その他書類(名刺、アンケート等)
以上が大まかな手続の流れでございます。
ご依頼いただくメリット
下記では、当事務所に内容証明郵便をご依頼いただいた場合のメリットについて記載しております。
メリット1 適切な脱会が可能
行政書士に内容証明を送付することで、法的に有効な脱会の手続が保証されます。
メリット2 迅速かつ効率的な手続
行政書士に内容証明の作成から差出までを依頼することで、手間や時間を大幅に節約できる利点があります。当事務所では内容証明郵便のご依頼を専門に扱っておりますので、通知書の作成や送付を迅速に行い、手続き全体をスムーズに進めることができます。
メリット3 相手に対するプレッシャーを与えられる
当事務所が作成させていただく脱会通知書には、行政書士法施行規則に基づく行政書士の記名を作成代理人としてさせていただきます。
行政書士の記名があることで、相手に対して第三者の関与を意識させることができ、且つこちらの本気度を示すことができるためスムーズに脱会ができると考えられます。
メリット4 土日の対応も可能
内容証明郵便を利用する多くのケースでは、郵便局の窓口から差し出すケースが多いです。この場合には、土日など郵便局が営業していない場合に対応することができません。(一部の郵便局では、土日はゆうゆう窓口で対応しているようです。)
しかし、当事務所によって作成する内容証明郵便は電子形式による発送なので、土日に関わらずいつでも差し出すことができます。
ご依頼料金
業務内容 | 案件(受取方) | 基本料金 | 概要 |
内容証明郵便の 作成と差出 | 個人・法人 | 33,000円~ | 2,000文字から5,000文字程度の通知書を作成いたします。 |
内容証明郵便 トータルサポート | 〃 | 44,000円~ | 〃 |
お問い合わせ
お客様の声
下記はお客様からいただいたお声の一部です。当事務所では、現在約150件の口コミをいただき、総合評価は「4.9/5」と高い評価をいただいております。
そのため、実施するサービスには自信をもっております。
内容証明郵便のイメージ
当事務所では、内容証明郵便を電子形式(電子内容証明郵便)で発送させていただいております。電子内容証明郵便の見本は以下のとおりです。
【参考記事】
日本郵便株式会社 内容証明