こちらの記事では、時効の援用通知書を自分で作成できるかについてや、どのようなことを記載するべきなのかについてまとめております。まずは、以下で時効の援用通知の方法等を説明する前に、時効の援用とは何かについて説明します。
時効の援用とは「ある期間が経過した後に、債務や権利の消滅を主張する手続き」の事を指します。つまり、時効となった債務について時効の援用通知を行うことでその債務の履行を逃れることができます。
時効の援用通知の方法に体的なルールが明確に定められていません。従って、例えば電話で「時効を援用します」と伝えることでも有効です。ただし、この方法では証拠が残らないため、後に債権者に否定される可能性があります。そのため、援用を行う際には証拠を残すことが重要です。
時効の援用通知は内容証明で行いましょう
時効の援用通知を行う際は、一般的に「内容証明郵便(以下「内容証明」といいます。)」が使用されます。内容証明は、郵便局による文章の内容を証明するサービスです。内容証明を利用することで郵便局に送った文章の内容が残るので、後に裁判が起こされた場合でも時効援用が有効であることを証明することができます。内容証明を利用して、時効援用をするときには、相手に内容証明が届いた日付を証明するために「配達証明」を利用しましょう。
配達証明は、郵便局が受取人に送った日付や送ったことを証明するサービスです。相手が内容証明を受け取ると、郵便局から差出人の住所に郵送日が記載されたハガキ(配達証明書)が送られてきます。配達証明書と時効援用の内容証明のコピーがあれば、時効援用の証拠となります。
時効援用通知書の書き方や記入する内容
如上の通り、時効援用の方法には特に厳密に定められたものはありません。しかしながら、時効援用を行う場合、通知書に含まれるべき内容について最低限お伝えします。
⑴時効援用の日付
時効援用において、行われた日付は極めて重要です。ですので、時効援用通知書には相手に対して行ったことを示すために作成した日付を明記します。(内容証明を別の日に送る場合は、その日付を記載します。)
⑵相手方の氏名や住所(法人の場合には法人名称や本店所在地)
相手方の氏名や住所、法人の場合は法人名称や本店所在地は、住民票や登記簿謄本等の公的な書類で確認できる情報に準拠して記入することが望ましいです。
⑶債権を特定する情報
相手がどの債権について時効を援用したか確認できるように、債権に関する情報は明確に記載する必要があります。一般的には、次の情報があれば特定が可能です。
- 債務者の氏名
- 債務者の住所
- 債権の内容
- 債権の金額
- 契約日
これらの情報が記載されていれば、通常は特定が可能ですが、契約番号などの他の情報があれば更に確実です。
時効の援用をする際は信用情報の開示も行いましょう
信用情報とは、信用調査機関が管理する個人や法人の金融取引履歴や返済能力、返済の実績等の情報を収集したものです。信用情報は開示することができます。以下にはCICの郵送による開示手続の流れを記載しております。一般的に信用情報の開示は1,500円程度ですることができます。
STEP1 申請書への記入
「信用情報開示申込書」をダウンロードし、必要事項に記入します。記入方法の詳細については、こちらのサイトをご参考いただけます。
STEP2 お支払い
手数料(1,500円)を支払います。手数料はコンビニチケットまたはゆうちょ銀行の定額小為替証書によって支払います。
STEP3 書類の準備
本人確認書類等をご用意ください。必要書類は申込者によって異なりますので、詳細はこちらのサイトをご参考いただけます。
STEP4 書類の郵送
準備した書類と手数料をまとめて「郵送開示センター」に郵送ください。申込後約10日後に開示報告書が届きます。
時効はいつ援用できるの?
時効を援用するには「権利を行使することができることを知った時から5年、又は権利を行使することができるときから10年」の期間が経過している必要があります。(民法166条1項)。そのため、お金を借りた後に一度も返済をしていない場合には、支払期日の翌日から原則5年が経てば時効の援用通知が可能となります。
時効の援用通知通知書を自分で作成する方へ(テンプレート)
以下は、時効援用通知書のテンプレートでございます。ご自身の債務状況に合わせてご使用ください。
時効援用通知書 令和○年○月○日 被通知人 通知人 貴殿に対する下記の債務については、最終弁済日である令和○年○月○日より既に5年以上経過しており、時効が成立しています。 記 契約日:平成○年○月○日 つきましては、本書面をもって時効を援用します。また、本書を受け取りましたら、速やかに信用情報機関へ情報訂正のご連絡をしていただけますよう、よろしくお願いいたします。 |
時効援用の通知はご依頼いただくことも可能です
自らで時効援用の通知を作成することに難しさを感じ、専門家に相談することを決められた方は、どうぞ内容証明代行室にご相談ください。
内容証明代行室では、専門の行政書士が専門知識を持ち、内容証明に関するサービスを提供しています。お客様の状況に合わせた適切な文書作成のサポートを致します。
時効援用をご依頼いただいた場合の料金
業務内容 | 案件(受取方) | 料金 |
〃 | 定型外文面(個人、法人) | 30,000円~ |
内容証明トータルサポート | 内容はお問い合わせください。 | 40,000円~ |
時効援用の通知をご依頼いただいた方の声
下記以外のご依頼者様からのコメントは「お客様の声」からご確認いただけます。
【K.H様】
何もかも初めてで不安もありましたが、初回のメッセージのやり取りからこちらの意図も汲み取り、分かりやすく迅速、丁寧に対応してもらいました。また何かの際にはこちらを利用したいと思います。安心してお願いできる行政書士でした。ありがとうございました。
【T.U様】
昨日に時効援用で相談させて頂きました。
時効援用は可能ですと回答頂き、当日には書類作成、翌日には先方に時効援用通知書を送付して頂きました。価格も安くしていただけましたし、対応も早く感謝しかありません。
【Y.E様】
かなり前に、共同生活をしていた人の代わりに契約した支払いが未だにいくつか残っていることが最近分かりました。支払額が大きいため、一体どう対処すべきか、返済するべきか、それとも時効を主張すべきか、迷っていました。そのため、消滅時効の援用通知について見積もりを依頼しました。しばらく悩んでいましたが、最近になって突然督促があり、以前とは状況が変わっているため、急いで手続きが必要だと感じ、先生に相談しました。チャットでの相談の後、その日のうちに丁寧な電話説明を受け、翌日には内容証明書を送っていただきました。忙しい中、迅速に対応していただき感謝しています。
専門家に時効の援用通知を依頼するメリット
時効の援用通知書の作成は行政書士などの専門家に依頼することができます。専門家に依頼することで以下のような利点があります。
1.正確な手続の遂行
専門家なら、時効の援用通知手続きについての知識があり、内容証明の適切な方法も理解しています。そのため、手続きにミスなく正確に対応できます。
2.効果的な主張
専門家に依頼することで、相手に伝わりやすい内容で時効の援用通知が可能です。そのため、文書に記載する意思表示に疑義が生じ、時効の援用通知ができないということはほとんどありません。
3.迅速な手続きが可能
時効の援用通知は口頭によっても行うことができますが、通常は内容証明を利用して行います。内容証明の利用は初めての方にとってはやや難しい側面があります。専門家であれば、内容証明の通知に精通しているので時効の援用通知を迅速に行うことが出来ます。
4.スムーズな問題解決
時効の援用通知には時効や内容証明に関する調査が必要ですが、専門家に依頼すればこのような調査も任せられますので、ストレスなく対応できます。
時効や内容証明に関してよくある質問
以下は時効や内容証明に関連したよくある質問と回答です。
Q1. 時効とは何ですか?
時効とは、一定の期間の経過によりで法律上の権利が消滅することを指します。一般的には、特定の行為や訴訟の提起などによって阻止されない限り、一定期間後に債権や権利が行使できなくなります。
Q2.時効援用を依頼した場合には何日程度かかりますか?
契約とお支払い後、概ね1週間ほどで差出させていただきます。また、信用情報の開示をご依頼いただいた場合には内容証明郵送後、2週間程で対応させていただきます。
Q3.債務の時効が成立してしまった場合、どうすれば良いですか?
債務が時効となると、債権者はその債務を取り立てる権利を失います。ただし、債務者が「お金は払います。」などと伝えた場合には、時効が更新され、その日から新たな時効の期間が開始します。
Q4.内容証明とは何ですか?
内容証明は、送付した文書の内容や日付を法的に証明するサービスであり、受取人が受け取ったことや内容を立証する際に利用されるものです。通常、配達証明と併せて使用されます。
Q5.内容証明の送付方法はどのようなものがありますか?
内容証明は、一般的には郵便局を通じて送付手続きを行います。また、最近では電子内容証明サービスも提供されており、パソコンにより手軽に利用することができます。内容証明の料金は概ね1,500円~2,000円ほどです。
Q6.内容証明を送付する利点は何ですか?
内容証明を送付することで、差出人は送付日や文書の内容を証明することができ、受取人による、文書の変更や事実の否認を防ぐことができます。
時効の援用通知書を自分で書くことはできる?-まとめ
法的に有効な時効援用通知を相手に送りたい場合は、行政書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。当代行室では、時効の援用を含む多様な相談を受け付けています。初回の電話相談は無料です。全国対応可能ですので、お気軽にお問い合わせください。