創価学会の会員や元会員が関係したと報じられる事件には、選挙違反、盗聴、通信記録の不正取得などがあります。ただし、個人が会員であったという事実と、創価学会が事件を指示・容認したという事実は同じではありません。本記事では、裁判結果や公表資料を確認しながら、事件と宗教団体の関係を慎重に整理します。
最初に確認したい重要な注意点
創価学会は、多数の会員を有する宗教団体です。そのため、長い歴史の中では、会員や元会員が刑事事件、民事事件、選挙違反などに関係したと報じられることがあります。
しかし、事件の当事者が創価学会の会員であったとしても、それだけで創価学会全体が事件に関与したことにはなりません。会社員が犯罪を行ったからといって、勤務先の会社が当然に犯罪組織となるわけではないのと同じです。
「会員が起こした事件」「幹部が関係した事件」「団体の業務として行われた事件」は区別して考える必要があります。所属だけを理由に、すべての会員や関係者を危険視することは適切ではありません。
また、逮捕は有罪判決を意味しません。容疑者として逮捕された後に不起訴となる場合や、起訴された後に無罪となる場合もあります。
本記事では、単なるうわさや匿名の投稿をできる限り避け、判決、裁判記録、公的資料、報道機関の記事、創価学会側の公表資料などを比較しながら整理します。
「創価学会の会員による事件」とは何を意味するのか
インターネットでは、「創価学会事件」「創価学会員による犯罪」といった強い表現が使われることがあります。しかし、その内容は一様ではありません。
私生活上のトラブルや金銭問題など、信仰活動とは直接関係しない個人的な事件です。
団体内で一定の役職を有していた人物が関係し、その立場や人間関係が注目された事件です。
団体の指示、承認、資金提供、使用者責任などが裁判上の争点となった事件です。
特に重要なのは、所属していたという事実と、組織的な関与が認定されたという事実を混同しないことです。
事件について正確に理解するためには、誰が、いつ、どのような行為を行い、どの法律に違反し、裁判所がどの範囲まで認定したのかを確認する必要があります。
大阪事件と選挙違反
創価学会と事件の関係を調べる際、歴史上の出来事として挙げられることが多いのが、1957年の「大阪事件」です。
参議院補欠選挙をめぐる事件
1957年4月に行われた参議院大阪地方区の補欠選挙をめぐり、一部の創価学会員が戸別訪問や買収などの公職選挙法違反を疑われ、逮捕・起訴されました。
当時、創価学会の青年室長であった池田大作氏も、選挙違反を指示した疑いで逮捕・起訴されました。しかし、池田氏については、約4年半に及ぶ裁判の結果、1962年1月25日に無罪判決が言い渡されています。
したがって、「池田大作氏が選挙違反で有罪になった」という説明は正確ではありません。一方で、選挙運動に関係した一部会員には罰金刑などが言い渡されたとされており、事件全体が存在しなかったわけでもありません。
創価学会側の説明
創価学会の公式資料では、池田氏の逮捕について、検察が一部会員から虚偽の供述を引き出して行った不当な逮捕であったと説明しています。また、無罪判決を創価学会の正当性が示された出来事として位置付けています。
この事件を紹介する場合には、選挙違反をしたとされる一部会員の責任と、無罪となった池田氏の刑事責任を分けて記載しなければなりません。
- 一部会員が選挙違反の疑いで逮捕・起訴された
- 池田大作氏も逮捕・起訴された
- 池田氏には最終的に無罪判決が言い渡された
- 事件全体と個々の被告人の判決結果を分けて考える必要がある
宮本顕治氏宅の電話盗聴事件
創価学会をめぐる事件の中でも、組織との関係が裁判で具体的に争われた事件として知られているのが、日本共産党幹部であった宮本顕治氏の自宅電話に対する盗聴事件です。
事件の概要
1970年、宮本氏の自宅電話に盗聴器が取り付けられていたことが発覚しました。その後、創価学会の元顧問弁護士や関係者が盗聴に関わったとして、宮本氏が損害賠償を求める民事訴訟を提起しました。
この事件では、実行者個人の責任だけでなく、当時の創価学会幹部が盗聴を承認し、資金を提供していたかどうかが争点となりました。
裁判所の判断
東京地方裁判所は、当時の創価学会会長が盗聴に関与したと認めるのが相当であるとの判断を示したとされています。控訴審の東京高等裁判所も、関与を認めた一審の判断を維持しました。
創価学会側は上告したものの、その後に上告を取り下げたため、高等裁判所の判決が確定したと報告されています。判決文を含む裁判記録は書籍としても収録され、国立情報学研究所の図書情報で確認できます。
この事件は、単に「会員個人が私生活上の理由で犯罪を行った」という事案とは異なり、当時の幹部による承認や資金提供の有無が審理され、民事裁判で一定の組織的関与が認定された点に特徴があります。
この事件について広く参照されるのは、損害賠償を求めた民事裁判の判決です。刑事裁判で創価学会そのものに有罪判決が言い渡されたという意味ではありません。
また、数十年前の事件における当時の幹部の行為をもって、現在のすべての会員や組織活動を一律に評価することも適切ではありません。歴史上の裁判結果として確認しつつ、現在の問題とは分けて考える必要があります。
携帯電話の通話記録不正取得事件
2002年には、携帯電話会社のシステムを不正に操作し、他人の通話記録を取得した事件で、創価大学の職員や同大学出身の通信会社関係者らに有罪判決が言い渡されました。
事件の経緯
報道によると、当時、創価大学の剣道部監督を務めていた人物が、知人女性と別の男性との関係を疑い、通話記録の調査を大学職員に相談しました。
相談を受けた職員は、通信会社の関連会社に勤務していた知人へ記録の取得を依頼し、その知人が業務用端末を不正に操作して、通話日時、通話先番号、通話時間などを取得したとされています。
東京地方裁判所は、関係した3名について、電気通信事業法違反、窃盗、教唆などの罪で有罪判決を言い渡したと報じられています。
別の通話記録取得も判明
その後の捜査では、実行者が別の人物の通話記録も不正に取得していたとして、追加で起訴された事案も報じられました。
2004年12月には、追加起訴された通信記録の不正取得についても有罪判決が言い渡されたとされています。報道では、被害者に創価学会と対立関係にあった人物が含まれていたことから、取得目的や背景についても注目されました。
どこまでが裁判で認定されたのか
この事件では、実際に通話記録を不正取得したことや、取得を依頼した人物の刑事責任が認定されています。
一方で、創価学会という宗教法人が組織として一連の行為を指示したことまで刑事裁判で認定されたのかは、個別の判決内容を慎重に確認する必要があります。
創価大学の職員や創価学会内の役職者が含まれていたとしても、役職があることのみを理由に、法人全体の刑事責任が当然に成立するわけではありません。
通話内容そのものが記載されていなくても、通話先、日時、回数、時間などを分析すれば、交友関係や生活状況を推測できます。業務上アクセスできる情報を私的目的で取得する行為は、重大なプライバシー侵害となります。
Yahoo! BB顧客情報流出・恐喝未遂事件
2004年には、インターネット接続サービス「Yahoo! BB」の顧客情報が大量に流出した事件が発覚しました。
流出した顧客情報を利用して運営会社側から金銭を得ようとしたとして、複数の人物が恐喝未遂やその幇助などの容疑で逮捕・起訴されています。
創価学会との関係が報じられた理由
この事件では、逮捕された関係者の中に、創価学会の元幹部と報じられた人物が含まれていました。そのため、創価学会との関係が新聞や雑誌などで大きく取り上げられました。
朝日新聞系の論考では、この事件について、創価学会幹部が関わったソフトバンクに対する恐喝未遂事件として紹介されています。
一方で、元幹部と報じられた人物については、逮捕後に処分保留となったとの報道もあります。逮捕されたという情報だけから、その人物が有罪になったと断定することはできません。
顧客情報を不正に取得し、主犯格へ渡したなどとして起訴された別の被告人らには、東京地方裁判所が有罪判決を言い渡しています。
事件と創価学会の組織的関与
この事件については、関係者の経歴や人脈が注目された一方、創価学会という宗教法人が顧客情報の不正取得や恐喝を組織として指示したとする確定判決が確認されたわけではありません。
そのため、「創価学会がYahoo! BBの個人情報を盗んで恐喝した」と単純化して記載するのは適切ではありません。
正確には、顧客情報流出と恐喝未遂をめぐる事件の関係者の中に、創価学会の元幹部と報じられた人物がいたものの、各人物の起訴内容や処分結果は異なる、と整理すべきです。
会員個人の犯罪と教団の責任は別問題
大規模な宗教団体には、年齢、職業、生活環境、考え方が異なる多数の人が所属しています。その中の一人が犯罪を行ったとしても、宗教団体への所属が犯罪の原因であるとは限りません。
たとえば、会員が交通事故、窃盗、暴行、詐欺、家庭内トラブルなどを起こした場合でも、信仰活動や教団の指示と無関係であれば、基本的には本人の個人的責任です。
事件報道の中で宗教団体名を記載する必要があるかどうかも慎重に検討されなければなりません。所属が事件の動機や手段、背景と無関係であれば、宗教団体名を強調することに公益上の必要性がない場合もあります。
会員であるという属性だけでは、団体の指示や責任を証明できません。
幹部という肩書があっても、私的な行為であれば法人の責任が当然に生じるわけではありません。
指示、承認、資金提供、報告関係などを示す具体的な証拠が必要です。
特定の事件を根拠として、「創価学会員は犯罪を行う」「会員は危険である」などと一般化することは、事実に基づかない差別や偏見につながるおそれがあります。
宗教団体の責任が問題となる場合
会員や役職者が起こした事件について、宗教法人や団体の責任が認められるかどうかは、事件ごとの具体的事情によって判断されます。
一般的には、次のような事情がある場合に、団体の責任が問題となる可能性があります。
-
団体の指示があった場合
役職者が団体の意思決定に基づき、会員へ違法行為を命じていた場合です。 -
幹部が承認・容認していた場合
違法行為を把握しながら承認したり、阻止せず継続させたりしていた場合です。 -
団体の資金や施設が使用された場合
事件のために団体の資金、車両、施設、名簿などが利用されていた場合です。 -
団体の活動として行われた場合
勧誘、選挙支援、会員管理、対立者への対応など、団体活動の一環として行われた場合です。 -
使用者責任が成立する場合
職員等が事業の執行について第三者へ損害を与えた場合には、民法上の使用者責任が問題となることがあります。
反対に、団体が違法行為を禁止し、事件を把握できず、行為者が完全に私的な目的で行動していた場合には、団体の責任が否定されることもあります。
「幹部だから組織的犯罪である」「会員だから教団の責任である」といった単純な判断ではなく、行為の目的、指示系統、資金、報告、役職上の権限などを具体的に確認することが重要です。
インターネット上の情報を確認する方法
創価学会に関する事件を検索すると、裁判記録に基づく記事だけでなく、匿名ブログ、動画、SNS投稿、元会員の体験談、団体を強く批判するサイトなどが多数表示されます。
中には重要な告発が含まれる可能性もありますが、第三者が検証できない情報も少なくありません。
1.判決の有無を確認する
「裁判で認定された」と書かれている場合は、裁判所名、判決日、事件番号、原告・被告、主文などが示されているかを確認します。
判決文が裁判所ウェブサイトに掲載されていない古い事件では、判例集、国立国会図書館、大学図書館、裁判記録を収録した書籍なども確認します。
2.逮捕と有罪を区別する
逮捕された人物が不起訴となることもあれば、起訴後に無罪となることもあります。「逮捕された」という報道だけで「犯罪者」と断定してはいけません。
3.複数の立場の資料を比較する
創価学会を批判する側の資料だけでなく、創価学会の公式説明や当事者の反論も確認します。反対に、公式説明だけでなく、判決や第三者報道も確認することが必要です。
4.人物の所属が確認できるかを見る
SNSでは、事件の当事者について根拠を示さず「創価学会員だった」とする投稿が見られます。本人の発言、団体の発表、信頼できる報道などがなければ、所属自体が確認できないこともあります。
5.事件との関連性を確認する
実際に会員であったとしても、その信仰が事件の動機や背景と関係していたのか、それとも単なる個人的属性なのかを区別します。
根拠のない情報を実名付きで投稿したり、「犯罪者」「詐欺師」などと断定したりすると、名誉毀損や侮辱の問題になる可能性があります。匿名アカウントからの投稿でも、発信者情報開示手続によって投稿者が特定されることがあります。
勧誘や連絡で困っている場合の対応
過去の事件を調べている人の中には、自分や家族が創価学会の会員であり、退会、勧誘、連絡、訪問、人間関係などに悩んでいる人もいるでしょう。
もっとも、創価学会の会員であることや、知人から宗教活動へ誘われること自体は違法ではありません。信教の自由には、宗教を信じる自由だけでなく、信じない自由や、宗教団体から離れる自由も含まれます。
勧誘を断りたい場合
今後の勧誘を希望しない場合は、曖昧な返答を続けるのではなく、「今後は宗教活動への勧誘を受ける意思はありません」と明確に伝えます。
退会したい場合
退会の意思は、口頭だけでなく、退会届や通知書などの書面で伝える方法があります。書面には、退会する意思、今後の勧誘や訪問を断る意思、個人情報の取扱いに関する要望などを記載します。
連絡や訪問が続く場合
断った後も連絡や訪問が続くときは、日時、相手の氏名、発言内容、訪問回数などを記録してください。電話履歴、メッセージ、手紙、防犯カメラ映像なども保存します。
危険を感じる場合
脅迫、暴行、住居侵入、待ち伏せ、執拗なつきまといなどがある場合は、宗教上の問題としてだけでなく、一般的な犯罪や迷惑行為として警察へ相談することを検討してください。
- 誰から、いつ、どのような勧誘や連絡を受けたか
- 退会や連絡拒否の意思をいつ伝えたか
- 相手がどのような反応をしたか
- 家族や勤務先への連絡があったか
- 脅迫的な発言や強制的な行為があったか
- 残っている証拠には何があるか
感情的な表現や過去の事件を一方的に列挙するよりも、自分に対して実際に行われた行為と、今後求める対応を具体的に整理することが重要です。
よくある質問
創価学会員が事件を起こした事例はありますか?
はい。一部会員や元会員、役職者が選挙違反、通信記録の不正取得、恐喝未遂事件などに関係したと報じられた事例があります。ただし、所属だけで創価学会の組織的関与が認められるわけではありません。
創価学会が組織的に盗聴したと認定された事件はありますか?
宮本顕治氏宅の電話盗聴をめぐる民事裁判では、当時の創価学会会長による承認や資金提供を認める判断が示され、控訴審でも維持されたとされています。ただし、民事上の損害賠償事件であり、宗教法人そのものに刑事上の有罪判決が言い渡されたという意味ではありません。
池田大作氏は選挙違反で有罪になったのですか?
いいえ。1957年の大阪事件で逮捕・起訴されましたが、1962年に無罪判決が言い渡されています。一部会員の選挙違反と、池田氏本人の判決結果を混同しないことが重要です。
事件の犯人が創価学会員だというSNS投稿は信用できますか?
投稿だけで信用するのは危険です。本人の発言、裁判資料、警察発表、信頼できる報道などで所属が確認できるかを調べてください。所属が確認できても、事件と信仰の関連性は別に検討する必要があります。
創価学会員であることを理由に付き合いを断ってもよいですか?
誰と交際するかは原則として本人の自由ですが、宗教上の属性だけで相手を危険人物と決め付けるのは適切ではありません。実際の言動や、自分との関係性をもとに判断することが望ましいでしょう。
退会後も勧誘や訪問が続く場合はどうすればよいですか?
勧誘や訪問を希望しない意思を明確に伝え、日時や内容を記録してください。必要に応じて書面による通知を行い、脅迫、住居侵入、つきまといなどがある場合は警察や専門家へ相談してください。
まとめ
創価学会の会員や元会員が関係した事件としては、1957年の大阪事件、宮本顕治氏宅の電話盗聴事件、携帯電話の通話記録不正取得事件、Yahoo! BB顧客情報流出・恐喝未遂事件などが知られています。
ただし、それぞれの事件は内容も裁判結果も異なります。
- 大阪事件では一部会員が選挙違反に問われた一方、池田大作氏は無罪となった
- 宮本氏宅盗聴事件では、民事裁判で当時の幹部の関与が認定されたとされる
- 通話記録不正取得事件では、実行者や依頼者らに刑事上の有罪判決が言い渡された
- Yahoo! BB事件では元幹部と報じられた人物が逮捕されたが、処分結果は関係者ごとに異なる
事件を検証するときは、会員個人の責任、役職者の責任、宗教法人の責任を分けて考える必要があります。
また、特定の会員が事件を起こしたことを理由に、すべての創価学会員を危険視することはできません。反対に、宗教団体であることを理由として、裁判で認定された事実や被害を軽視することも適切ではありません。
賛成・反対という立場から結論を決めるのではなく、判決、処分結果、報道、団体側の説明を比較し、確認できた事実と評価や推測を分けて理解することが大切です。
創価学会の退会や連絡停止でお困りの方へ
退会の意思を明確に伝えたい場合や、今後の勧誘・訪問・連絡を断りたい場合には、通知書や内容証明郵便を利用する方法があります。事実関係と希望する対応を整理したうえで、冷静な文面を作成することが重要です。
※個別の事件や相手方の対応によって、適切な通知内容は異なります。
主な参考資料
本記事では、次の裁判記録、公式資料及び報道資料などを参考にしています。
古い事件には、裁判所ウェブサイトで判決全文を確認できないものがあります。また、政党機関紙、宗教団体の公式資料、当事者側の出版物には、それぞれの立場が反映されている場合があります。複数の資料を比較したうえで確認してください。
- 創価学会
- 創価学会員
- 大阪事件
- 電話盗聴事件
- 通話記録不正取得
- 宗教団体の責任
- 創価学会退会
- 退会通知


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