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催告書を内容証明で送る方法|記載事項・期限設定・送付時の注意点

催告書を内容証明で送る方法|記載事項・期限設定・送付時の注意点

取引先が代金を支払わない、貸したお金が返ってこない、約束した作業が行われない。このような場合に、相手方へ正式に履行を求める書面が「催告書」です。

催告書は通常の郵便でも送れますが、いつ、どのような内容を、誰から誰に差し出したかを記録したい場合には、内容証明郵便が有効な選択肢です。ただし、内容証明を送っただけで支払いが確定したり、相手に強制的な義務を履行させたりできるわけではありません。本記事では、催告書の記載事項、期限設定、文例、送付後の対応を具体的に説明します。

催告書とは?内容証明郵便との違い

催告書とは、相手方に対して金銭の支払いや契約上の義務の履行などを求める書面です。例えば、代金を支払っていない取引先に支払いを求める場合や、約束した工事・納品を実施するよう求める場合などに使用されます。

「催告書」と「内容証明」は同じ意味ではありません。催告書は文書の内容や目的を指し、内容証明は郵便の差出方法を指します。

項目催告書内容証明郵便
意味義務の履行を求める書面文書の内容等を証明する郵便サービス
役割請求・要求事項を伝える差出内容等の証拠を残す
利用方法普通郵便などでも送付可能郵便局所定の方法で差し出す
支払いの強制それ自体に強制執行の効力はないそれ自体に強制執行の効力はない

例えば「売掛金30万円を支払ってください」という催告書を内容証明郵便で差し出せば、そのような請求文書を差し出した事実を記録できます。

一方で、日本郵便は文書に書かれた請求が正当かどうかまでは証明しません。内容証明に記載した金額が正しいことや、相手方に支払義務があることを郵便局が認定するわけではない点に注意してください。

催告書を送る前に確認したい3つのこと

請求の根拠が整理できているか

催告書を作成するときは、相手方に何を求めるのか、その根拠となる契約や取引は何かを整理します。

金銭請求の場合には、契約日、商品・役務の内容、代金、支払期日、これまでの入金額などを確認してください。口頭契約でも契約が成立する場合はありますが、内容や金額に争いがあるときは、メールやメッセージ、請求書、振込記録などの確認が重要です。

相手方がすでに一部を支払っている場合には、その分を差し引いた未払残額を記載します。元金と遅延損害金を請求する場合には、それぞれの発生根拠と計算方法を分けて検討する必要があります。

支払期限がすでに到来しているか

契約上の支払日が明確であれば、その日を確認します。期限を過ぎている場合には、未払いが生じていることを具体的に示すことができます。

反対に、支払日を決めていない契約や、一定の条件がそろって初めて支払義務が発生する契約では、催告前に履行期の確認が必要です。

民法第412条は、確定期限、不確定期限、期限の定めがない債務について、履行遅滞の責任が生じる時点を区別しています。

期限を定めていない場合でも、契約類型によっては別の規定が適用されることがあります。単に「期限がなければいつでも同じ条件で請求できる」と決めつけず、契約内容を確認しましょう。

相手方の氏名・住所が正確か

催告書の内容が適切でも、送付先が間違っていれば目的を達成できません。個人宛であれば氏名と住所、法人宛であれば法人名、所在地、代表者名などを確認します。

取引上の屋号と正式な法人名が異なる場合や、請求書の宛先と契約当事者が異なる場合もあるため、誰が支払義務を負っているのかを整理しておきましょう。

内容証明で送る催告書に記載すべき事項

催告書には必ずこの題名を付けなければならないという決まりがあるわけではありません。しかし、必要な事項が抜けると、相手方が請求内容を理解しにくくなります。

記載事項内容と注意点
作成日書面を作成した日付
宛先請求相手の正式な氏名・名称
差出人請求する本人の氏名・住所など
請求の根拠契約日、取引内容、未払いの事情
請求内容支払いを求める金額や履行事項
期限いつまでに対応してほしいか
履行方法振込先、納品方法、連絡方法など
期限後の対応必要に応じて次の手続を検討する旨

重要なのは、相手方が書面を読んだときに、何について、何を、いつまでに求められているのかが分かることです。

金銭請求では「未払金を支払ってください」だけでなく、対象となる取引、支払額、支払方法を具体的に記載すると、請求対象の誤解を減らせます。

また、書面に「法的措置を講じます」と記載する場合にも、実際に検討している内容に沿った表現にすることが望ましいでしょう。必要以上に相手を威圧したり、刑事処罰が確定しているかのような文言を記載したりすることは避けるべきです。

催告書の支払期限は何日後に設定する?

催告書の支払期限について、すべてのケースに共通する「必ず7日以内」「必ず14日以内」という一律の決まりはありません。

すでに支払期限を過ぎている金銭債務の再請求なのか、契約解除を見据えて履行を求める催告なのかによって、期限設定の考え方も変わります。

支払いの催告と契約解除の催告を区別する

単に未払い代金の支払いを促す場合は、金額や相手方の対応可能性などに応じ、具体的な日付を示す方法があります。

例えば「本書面到達後7日以内」と記載する方法もありますが、相手方の到達日によって期限が変わります。管理しやすさを優先するなら、発送・配達にかかる日数を考慮した具体的な年月日を設定することも考えられます。

一方、契約違反を理由として、履行がなければ契約解除を検討する場面では、民法第541条に定められた相当の期間という要件が問題になります。

相当の期間は、履行に必要な作業量や契約の性質などによって異なります。複雑な作業が必要な契約について、機械的に数日だけを指定すれば十分というわけではありません。

また、催告期間が経過しただけで当然にすべての契約が解除されるわけではありません。解除の要件と解除意思表示を検討する必要があるため、金銭の支払催告と契約解除通知は混同しないようにしましょう。

催告書の文例|未払い代金を請求する場合

催告書の文例|未払い代金を請求する場合

次は、契約上の支払期日がすでに経過しており、請求額や契約内容に争いがないことを前提とした一般的な参考文例です。

催告書

貴殿との間で締結した令和○年○月○日付の○○契約に基づき、当方は○○を履行いたしました。

同契約における代金は金○○円、支払期日は令和○年○月○日と定められておりますが、本書面作成日現在、上記代金の支払いを確認できておりません。

つきましては、未払代金○○円を、令和○年○月○日までに、下記口座へお振り込みくださいますよう催告いたします。

金融機関名:○○銀行
支店名:○○支店
預金種別:普通
口座番号:○○○○○○○
口座名義:○○○○

上記期限までにお支払いを確認できない場合には、請求内容および関係資料を再確認のうえ、必要な法的手続を検討いたします。

令和○年○月○日
差出人住所・氏名
受取人住所・氏名

文例中の金額や期日は、必ず実際の契約内容に合わせて修正してください。支払期日が未到来の場合、解除を伴う場合、相手方が請求を争っている場合などには、文章構成自体を見直す必要があります。

また、郵便局の窓口で内容証明として差し出す際は、所定の字数・行数や作成条件に合わせて整える必要があります。この文例の表示形式をそのまま郵便局へ提出できるとは限りません。

催告書を内容証明郵便で送る手順

書面が完成したら、差出方法を決めて送付します。一般的な窓口差出しでは、以下の順に準備します。

  1. 催告書を完成させる 請求額、支払期限、宛名、差出人情報を最終確認します。
  2. 内容文書と謄本を準備する 送付用の文書と、郵便局・差出人が保管する謄本を用意します。
  3. 取扱郵便局へ持参する 内容証明を取り扱う郵便局の窓口で差出手続を行います。
  4. 配達証明の利用を検討する 配達した事実も記録したい場合は、差出時に配達証明を申し込みます。
  5. 控えを保管する 謄本、差出時の受領証、配達証明書などをまとめて保存します。

通知内容の証明と、相手方に通知が届いたことの証明は別です。日本郵便の内容証明サービスだけでは配達した事実の証明にはならないため、必要に応じて配達証明を併用します。

催告が意思表示としての意味を持つ場合、到達時期も重要になります。民法第97条は、意思表示の効力発生時期について原則を定めています。

発送日と到達日は同じとは限りません。期限の計算が重要な催告では、差出日だけを記録するのではなく、配達の状況も確認してください。

なお、内容証明郵便は相手方が請求を認めたことを証明するものではありません。送付後も契約書や取引記録など、請求の根拠となる資料は保管しておきましょう。

催告書を送ると時効はどうなる?

金銭債権の請求では、消滅時効の問題にも注意が必要です。時効の完成が近い場合に、催告をすることで一定期間、時効の完成が猶予される場合があります。

民法第150条は、催告による時効の完成猶予について規定しています。

ここで重要なのは、催告をしても、それだけで時効が新しく最初から進み直すわけではないという点です。催告によって完成が猶予される期間と、裁判上の請求等による完成猶予・更新は区別されます。

また、催告を何度も繰り返せば、そのたびに6か月間延長されるというものでもありません。

時効が迫っている場合、内容証明を送付しただけで安心することはできません。請求権の発生時期、適用される消滅時効期間、過去の支払い・承認の有無などを確認し、必要な裁判手続を適時に検討することが重要です。

催告書を無視された場合の対応

催告書を発送しても、相手方が支払いや履行に応じるとは限りません。期限が過ぎた場合には、感情的な再通知を繰り返すのではなく、請求の根拠と相手方の対応を整理します。

相手方から反論があった場合

相手が「契約していない」「代金は支払った」「仕事が完成していない」などと主張している場合は、争いになっている論点を確認してください。

反論の内容によっては、追加の催告書を送るより、弁護士へ相談して請求の見通しや証拠を検討した方が適切な場合があります。

何の反応もない場合

相手から返答がなく、支払いも確認できない場合は、請求権の内容や資料に応じ、裁判所の支払督促、民事調停、訴訟などを検討します。

裁判所の支払督促は、郵便局の内容証明とは別の手続です。金銭等の給付を求めるために裁判所へ申し立てるもので、相手方が異議を申し立てた場合には訴訟手続へ移行することがあります。

内容証明の発送それ自体では相手の財産を差し押さえることはできません。未払いが長期化している場合や、相手方が支払いを強く拒否している場合には、早めに対応方針を検討しましょう。

行政書士に相談できる範囲

行政書士は、業務範囲内での事実関係の整理や、権利義務に関する書類である催告書の作成を支援することができます。ただし、相手方との代理交渉や訴訟代理、紛争に関する法律事務を広く扱えるわけではありません。

当事者間で請求の有無・金額に重大な争いがある場合や、裁判による回収を予定している場合には、弁護士への相談も検討してください。文書作成の依頼先と、紛争解決の代理を依頼する先は、状況に応じて分けて考える必要があります。

よくある質問

催告書は必ず内容証明で送らなければなりませんか?

必ずしも内容証明郵便にする必要はありません。ただし、後日、どのような請求を行ったかを示す記録が重要になる場合は、内容証明郵便を利用する意味があります。

催告書の支払期限は7日以内と書けば大丈夫ですか?

すべての催告で7日が適切とは限りません。支払請求なのか、契約解除を見据えた履行催告なのかによって、必要な期間の考え方が異なります。契約内容と履行に必要な時間を踏まえて判断しましょう。

催告書を送れば自動的に契約解除になりますか?

原則として、催告書を発送しただけで当然に解除が完成するわけではありません。解除の要件が満たされているか、解除の意思表示をどのように行うかを検討する必要があります。

内容証明で催告すると時効は止まりますか?

適法な催告によって民法第150条の時効完成猶予が問題になる場合があります。ただし、猶予は原則6か月であり、時効期間が最初から進み直すわけではありません。再度の催告を繰り返しても同じ効果を延長できるものではありません。

相手が催告書を無視した場合、すぐに差押えできますか?

催告書や内容証明郵便だけを根拠として、直ちに強制執行することはできません。請求内容に応じて裁判所の手続を検討し、執行に必要な要件を確認する必要があります。

まとめ

催告書は、相手方に金銭の支払いや契約上の義務の履行を正式に求めるための書面です。内容証明郵便で送付すれば、差し出した文書の内容等を記録に残すことができます。

作成時には、請求の根拠、請求額、支払期限、履行方法を明確にし、誤解のない表現を選ぶことが重要です。また、契約解除のための催告や、時効の完成猶予を目的とする催告では、法律上の要件にも注意が必要です。

催告書を送ること自体を目的にするのではなく、何を求め、送付後にどのような対応を予定するのかを整理して作成することが、実務上の重要なポイントです。

参考資料

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