上司や同僚からの身体的接触、性的な発言、LINEによる私的・性的な連絡など、セクシャルハラスメントに悩まれている場合、我慢を続けるのではなく、まずは「これ以上の行為をやめてほしい」という意思を明確に伝えることが大切です。
内容証明郵便を利用すれば、相手方に対してセクハラ行為の中止を正式に求めるとともに、今後同様の行為を行わない旨の誓約書の提出を求めることができます。口頭やLINEだけでは曖昧になりやすい意思表示を、証拠として残る形で行える点が大きな特徴です。
セクハラ対応で内容証明郵便を使う理由
セクハラ被害では、被害を受けた側が「はっきり拒否したつもり」であっても、相手方が軽く受け止めていたり、後になって「そのようなつもりではなかった」と主張したりすることがあります。
特に、職場の上司や取引先など、今後も関係が続く相手の場合、直接強く伝えることが難しく、結果として不快な接触や連絡が長期間続いてしまうこともあります。
内容証明郵便を利用することで、「どのような内容を、いつ、誰に送ったのか」を郵便局が証明してくれるため、相手方に対する正式な意思表示として残すことができます。
今後の接触や性的発言を拒否する意思を明確に伝えられます。
通知した事実と内容を後から確認できる形で残せます。
相手方に対して心理的な抑止力を与えることができます。
停止要求と誓約書を同時に求める方法
内容証明郵便では、単にセクハラ行為の中止を求めるだけでなく、今後同様の行為を行わないことを約束する「誓約書」の提出を求めることも可能です。
実務上は、身体的接触、性的な発言、LINE・メール・電話による私的連絡など、問題となっている行為を具体的に列挙し、それらを一切行わないことを明確にします。また、違反があった場合には、会社への報告や懲戒手続、さらには法的措置を検討する可能性があることもあわせて記載します。
誓約書については、別紙として作成した書面に署名押印して返送してもらう方法のほか、内容証明郵便に記載した誓約内容をそのまま印刷し、署名して返送してもらう方法も考えられます。
誓約書の記載例
第1条(不適切行為の禁止)
甲は、乙に対し、これまでに身体的接触や性的な発言その他の不適切な言動を行っていた事実があることを認識する。
そのうえで、今後はこれらを含む一切の不適切な言動を行わないことを誓約する。
第2条(私的連絡の制限)
甲は、業務上必要な連絡を除き、乙に対して私的な連絡を行わないことを誓約する。
これには、LINE、メール、電話その他一切の連絡手段を含むものとする。
第3条(職場における対応)
甲は、乙との関係において、業務上必要な範囲を超えた接触や言動を行わない。
また、常に適切な距離を保った対応を行うことを誓約する。
第4条(違反時の対応)
甲は、本誓約に違反した場合、乙が勤務先への相談・報告、懲戒手続の申立て、その他の対応を行う可能性があることをあらかじめ了承する。
第5条(謝意の表明)
甲は、本件により乙に不快感および精神的負担を与えたことを認識する。
そのうえで、誠意をもって謝意を表することを誓約する。
謝意の方法については、乙の意向を踏まえ、適切な方法により行うものとする。
第6条(守秘)
甲は、本件に関する事実および本誓約書の内容について、正当な理由なく第三者に開示または漏えいしない。
ただし、勤務先への相談、法的手続、または専門家への相談に必要な範囲での開示はこの限りではない。
実際の対応事例
実際のご相談では、既婚者である上司から、2016年4月頃から継続的にセクハラ行為を受けていたケースがありました。内容としては、会社内の会議室などにおける身体的接触のほか、LINEによる性的欲求を含む連絡が続いていたというものです。
目撃者や録音・録画などの客観的証拠はありませんでしたが、LINEのチャット履歴が残っていたため、その内容を踏まえて通知書を作成しました。

本件では、会社内にセクハラ相談部署が存在していたため、まずは個人間での解決を目指しつつ、今後同様の行為があった場合には、会社への報告も検討する旨を通知書に記載しました。
さらに、今後一切のセクハラ行為を行わないこと、業務上必要な場合を除き私的連絡を行わないこと、違反時には会社への報告や法的措置を講じる可能性があること、誠意ある謝罪を行うこと、第三者へ口外しないことなどを誓約内容として整理しました。


結果として、相手方から誓約書の返送があり、その後はプライベートでの連絡もなくなりました。内容証明郵便によって、意思表示と再発防止の約束を同時に行えた事例といえます。
通知書に記載すべき内容
セクハラに関する内容証明郵便では、感情的な表現を避け、事実関係と求める対応を整理して記載することが大切です。
- セクハラ行為が行われた期間
- 身体的接触や性的発言などの具体的内容
- LINE・メールなどの証拠の有無
- 今後一切のセクハラ行為を行わないこと
- 私的連絡を控えること
- 誓約書の返送期限と返送方法
- 違反時に会社への報告や法的措置を検討すること
ご相談から送付までの流れ
- 事実関係の確認
セクハラ行為の内容、期間、場所、証拠の有無などを整理します。 - 証拠資料の確認
LINE、メール、メモ、録音など、通知書作成に必要な資料を確認します。 - 通知書・誓約書案の作成
停止要求と再発防止の誓約内容を整理し、文案を作成します。 - 内容確認・修正
ご本人の意向を確認し、必要に応じて表現や内容を調整します。 - 内容証明郵便で送付
完成した通知書を内容証明郵便により相手方へ送付します。
よくある質問
セクハラの証拠がLINEだけでも内容証明を送れますか?
可能です。録音や録画がなくても、LINEのやり取り、メール、日記、メモなどが参考資料になります。
会社に知られずに相手へ通知できますか?
相手方個人に対する通知として送ることは可能です。ただし、再発時には会社への相談も検討すべき場合があります。
誓約書の提出を求めることはできますか?
できます。今後の接触禁止、私的連絡の禁止、守秘義務、謝罪などを内容に含めることがあります。
相手が誓約書を返送しない場合はどうなりますか?
返送がない場合でも、内容証明郵便で通知した事実は残ります。その後の会社相談や法的対応を検討する材料になります。
退職を考えている場合も内容証明は使えますか?
使えます。セクハラの停止要求だけでなく、退職通知や有給休暇取得の意思表示を内容証明で行うケースもあります。
相手が既婚者の場合、配偶者に知られる可能性はありますか?
通知先や記載内容によります。相手方の自宅へ送付する場合は、同居家族が郵便物の存在を知る可能性があるため、慎重な検討が必要です。
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46,430円(税込・実費込)
※ 実費(郵送料等)を含みます。

