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工事の騒音に耐えられない!でも工事の人にいうのは気が引ける…どこに苦情を言うべき?

工事の騒音に耐えられない!でも工事の人にいうのは気が引ける...どこに苦情を言うべき?

自宅の隣や近所で工事が始まり、朝から「ガガガガ」「ドンドン」と大きな音が続くと、在宅勤務や睡眠、日常生活に大きな影響が出ることがあります。しかし、「工事だから仕方がないのでは」「現場で働いている人に直接言うのは気が引ける」と我慢してしまう方も少なくありません。結論からいうと、工事騒音について必ず現場の作業員へ直接苦情を言う必要はありません。工事の種類や建物によって、施工会社・現場責任者・管理会社・建物所有者・自治体の環境担当窓口など、適切な相談先があります。本記事では、工事の騒音に耐えられないときに、どこへ苦情を伝えればよいのかを順番に解説します。

  • 現場で作業している職人へ直接注意する必要はない
  • まず工事の施工会社・現場責任者を確認する
  • マンション内の工事なら管理会社・管理組合への相談も有効
  • 隣地の建築工事なら元請会社や建築主へ相談する方法がある
  • 騒音規制法の対象となる工事は市区町村の環境担当窓口へ相談できる
  • 騒音の時間帯・種類・継続時間を記録してから伝えると話が進みやすい

工事の騒音はどこに苦情を言えばいい?

工事の騒音がつらいとき、「とりあえず工事現場へ行って注意しよう」と考えるかもしれません。しかし、現場で実際に作業している職人が、工事時間や作業方法を自由に決めているとは限りません。

工事には、建築主、元請会社、施工会社、現場監督、下請会社など複数の関係者が関与していることがあります。現場の作業員へ伝えても、作業工程を変更する権限がなく、問題が解決しないことがあります。

そのため、まずは「誰がその工事を管理しているのか」を確認することが重要です。

基本的な相談順序

施工会社・現場責任者 → 建築主や管理会社等 → 市区町村の環境・公害担当窓口という順番で検討すると整理しやすくなります。ただし、深夜工事や強い振動など事情によっては、最初から自治体へ相談しても構いません。

工事の作業員へ直接注意しなくてもよい

工事現場が目の前にあると、作業員へ「うるさいので何とかしてください」と言うのが最も早いように思えるかもしれません。しかし、無理に現場へ入ったり、作業中の職人へ直接声を掛けたりする必要はありません。

工事現場には大型機械や重機があり、作業中に第三者が立ち入ること自体が危険です。また、作業員は元請会社から指定された工程に従って作業していることが多く、個人の判断で工事を止めたり時間を変更したりできない場合があります。

さらに、お互いに感情的になると、本来は騒音を改善してほしいだけだったのに「住民と工事業者とのトラブル」に発展する可能性があります。

工事現場へ怒鳴り込みに行くのは避けましょう

工事現場へ立ち入り、作業員を怒鳴ったり、作業を実力で止めようとしたりすることはおすすめできません。現場入口などに掲示されている施工会社名や連絡先を確認し、現場責任者や会社の窓口へ冷静に連絡する方が安全です。

ケース別|工事騒音の苦情を伝える相手

工事の種類によって、最初に相談した方がよい相手は異なります。代表的なケースを整理すると、次のようになります。

工事の状況最初の相談先改善しない場合
隣の戸建住宅の新築・解体工事施工会社・現場責任者・元請会社建築主・自治体の環境担当窓口
マンションの隣室・上階のリフォーム管理会社・管理組合施工会社・区分所有者等
マンション全体の大規模修繕管理会社・管理組合・工事窓口施工会社・工事監理者等
店舗やビルの改装工事施工会社・建物管理会社建物所有者・自治体
道路工事・公共工事現場掲示の発注者・施工会社道路管理者・国・都道府県・市区町村等
法律上の特定建設作業が疑われる施工会社市区町村の環境・公害担当窓口

マンション内の工事の場合

マンションの上階や隣室でリフォーム工事が行われている場合は、まず管理会社や管理組合へ相談する方法があります。

マンションでは、管理規約や使用細則によって工事可能時間、事前届出、工事内容、共用部分の利用方法などが決められていることがあります。

例えば、管理規約上は午後5時までしか工事が認められていないにもかかわらず、午後7時まで電動工具を使用しているのであれば、法律以前にマンション内部のルールに反している可能性があります。

隣地の建築・解体工事の場合

隣の土地で住宅やマンションの建築・解体工事が行われている場合は、工事現場の掲示を確認してみましょう。施工会社、元請会社、現場責任者等の情報が確認できる場合があります。

施工会社へ連絡する際は、「工事をやめてください」とだけ伝えるより、「午前7時前から金属を叩く音が続いている」「振動で室内の家具が揺れる」など、具体的な状況を伝える方が対応につながりやすくなります。

公共工事の場合

道路、水道、下水道、河川等の公共工事であれば、施工会社だけでなく、その工事を発注している国・都道府県・市区町村等へ相談できる場合があります。

現場付近の工事看板に、工事名、発注者、施工業者、工期等が表示されていることがありますので、まず確認しましょう。

工事の騒音には法律上の規制がある

工事であれば、どれだけ大きな音を出しても許されるわけではありません。騒音規制法では、建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音を発生する一定の作業を「特定建設作業」として規制しています。

代表例として、一定のくい打機、さく岩機、空気圧縮機、大型のバックホウ・トラクターショベル・ブルドーザーなどを使用する作業があります。

ただし、すべての工事が特定建設作業になるわけではありません。使用する機械の種類・能力、作業内容、低騒音型建設機械に該当するかなどによって規制対象かどうかが異なります。

また、指定地域内で特定建設作業を伴う工事を行う場合には、原則として特定建設作業を開始する日の7日前までに、市町村長へ届出を行う制度があります。

工事は何時から何時までなら許される?

工事騒音について「朝8時なら必ずOK」「夜8時なら違法」と全国一律に決まっているわけではありません。

ただし、騒音規制法上の特定建設作業については、地域区分に応じて作業時間帯等の基準があります。

規制項目1号区域2号区域
作業できる時間帯原則 7時~19時原則 6時~22時
1日あたりの作業時間原則10時間以内原則14時間以内
連続作業日数原則6日以内原則6日以内
日曜日・休日原則として作業しない原則として作業しない

1号区域には、住居地域や学校・病院等の周辺など、特に静穏な環境を保護する必要性が高い地域が含まれる場合があります。具体的にどの地域が1号区域・2号区域に当たるのかは、自治体によって指定されています。

上記は「すべての工事」の時間制限ではありません

7時~19時などの基準は、騒音規制法上の特定建設作業についての規制です。一般的な内装工事や小規模なDIYなどが必ず同じ基準を受けるわけではありません。また、災害時、生命・身体の危険防止、鉄道の正常運行確保等の一定の場合には例外があります。

もっとも、法律上の特定建設作業に該当しない場合でも、自治体独自の条例、マンション管理規約、工事業者の自主基準などが適用される場合があります。

工事騒音は何デシベルまで?

騒音規制法上の特定建設作業については、指定地域内では、原則として特定建設作業の場所の敷地境界線において85デシベルを超えないことが基準の一つとなっています。

項目規制の目安注意点
特定建設作業の騒音敷地境界で原則85デシベル以下すべての工事に一律適用される数字ではない
1号区域の作業時間帯原則7時~19時自治体の区域指定を確認
2号区域の作業時間帯原則6時~22時自治体の区域指定を確認
連続作業原則6日以内一定の例外あり
日曜・休日原則作業しない一定の例外あり

ここで重要なのは、85デシベルが「自宅の寝室で85デシベルまで我慢しなければならない」という意味ではないことです。

基準は原則として工事場所の敷地境界線で評価されます。また、自治体独自の条例によって、法律より広い範囲の工事を規制している場合もあります。

工事騒音が生活に重大な支障を与えている場合は、「自宅では80デシベルだったから法律違反だ」と断定するのではなく、自治体の担当部署に工事の種類と場所を伝え、適用される規制を確認する方が確実です。

自治体へ苦情を言ってもいい?

施工会社へ連絡しても改善しない場合や、特定建設作業の規制基準を超えている可能性がある場合には、市区町村の環境・公害・騒音振動担当部署へ相談する方法があります。

騒音規制法では、指定地域内の特定建設作業について、基準に適合せず周辺の生活環境が著しく損なわれていると認められる場合、市町村長が工事施工者へ騒音防止方法の改善や作業時間変更について勧告等を行う制度があります。

自治体へ相談するときは、次の情報を用意しておくと話が進みやすくなります。

  • 工事場所の住所
  • 工事現場に掲示されている施工会社名
  • 騒音が発生する時間帯
  • どのような機械音・衝撃音なのか
  • いつから騒音が続いているのか
  • 施工会社へすでに相談したか
  • 騒音計等で測定している場合はその結果

「近所の工事がうるさいです」だけでは、担当部署も規制対象となる工事なのか判断しにくい場合があります。可能な限り工事場所と作業状況を具体的に伝えましょう。

苦情を言う前に残しておきたい記録

工事騒音について相談するときは、施工会社や自治体が状況を確認できるよう、騒音の発生状況を記録しておくことをおすすめします。

  1. 日付を記録する いつ工事騒音が発生したのかを記録します。
  2. 開始・終了時間を記録する 「朝早く」ではなく「午前6時45分頃から」など具体的に残します。
  3. 音の種類を書く 解体音、金属を叩く音、重機、ドリル、コンクリート破砕音等を記載します。
  4. 録音・動画を保存する 室内でどの程度聞こえるかを記録します。
  5. 生活への影響を記録する 睡眠、仕事、乳幼児、高齢者等への具体的な影響を記録します。
  6. 相談履歴を残す 施工会社や管理会社へ連絡した日時と回答を残します。
日時騒音内容継続時間生活への影響
9月15日 6:40頃金属を叩くような連続音約30分音で目が覚めた
9月15日 8:20頃コンクリートを破砕するような音断続的に約2時間在宅勤務のオンライン会議に支障
9月16日 7:05頃重機音・振動約1時間室内で振動を感じた

施工会社へ苦情を伝えるときのポイント

施工会社へ連絡するときは、怒りをそのまま伝えるより、「何が困っているのか」と「何を改善してほしいのか」を具体的に伝える方が対応されやすくなります。

例えば、次のような伝え方が考えられます。

施工会社への伝え方の例

「近隣に居住している者ですが、ここ数日、午前7時前から金属を叩くような大きな音が発生しており、睡眠に支障が出ています。工事自体を止めてほしいということではありませんが、早朝の大きな音を伴う作業について、開始時間や作業方法をご検討いただくことは可能でしょうか。」

このように、「工事そのものを否定しているわけではない」「特に問題となっている時間や作業を改善してほしい」と伝えると、相手側も具体的な改善策を検討しやすくなります。

例えば、大きな破砕作業だけ開始時間を遅らせる、防音シートを追加する、機械の配置を変更する、窓側から離れた場所で作業するなど、現場によって対応できる場合があります。

何度伝えても工事騒音が改善しない場合

施工会社や管理会社へ何度相談しても騒音が改善せず、自治体へ相談しても問題が解決しない場合には、書面で正式に改善を求める方法があります。

口頭の苦情だけでは、「いつ、何を伝えたのか」が後から分からなくなることがあります。そのため、工事騒音の発生状況とこれまでの相談経過を整理し、施工会社、建築主、管理会社等へ通知書を送る方法が考えられます。

通知書には、例えば次の事項を記載します。

  • 工事場所と工事の内容
  • 騒音が発生している期間
  • 特に問題となる時間帯
  • 騒音や振動の具体的な内容
  • 生活に生じている支障
  • これまで施工会社等へ相談した経緯
  • 今後求める騒音防止措置

より明確な記録を残したい場合には、内容証明郵便を利用する方法もあります。ただし、内容証明郵便を送ったからといって、合法的な工事そのものを当然に中止させられるわけではありません。

目的は、「工事を全面的に止めること」ではなく、早朝・夜間の騒音を避けてもらう、防音措置を強化してもらう、特に大きな音が出る作業の時間帯を調整してもらうなど、具体的な改善を求めることにあります。

行政書士による工事騒音の通知書作成

行政書士は、工事騒音の発生状況、これまで施工会社等へ相談した経緯、生活への影響などを確認し、施工会社・建築主・管理会社等へ送付する通知書や内容証明郵便の文案作成を支援できます。相手方との代理交渉や損害賠償請求の交渉等が必要な場合は、弁護士への相談が適切です。

大倉行政書士事務所では、工事騒音を含む近隣騒音トラブルについて、通知書・内容証明郵便の作成を全国対応でサポートしています。「工事の人に直接言いづらい」「施工会社へ何度言っても改善されない」といった場合は、騒音の記録やこれまでの相談履歴を整理したうえでご相談ください。

よくある質問

工事が朝7時から始まっています。苦情を言ってもよいですか?

苦情や相談をすること自体は可能です。ただし、朝7時という時刻だけで直ちに違法とは判断できません。特定建設作業の1号区域では原則7時から19時までが作業可能時間帯の基準となっていますが、工事の種類や地域、自治体の条例、マンション内部の工事規則等によって適用関係が異なります。

工事が日中なので「我慢してください」と言われました。

日中の工事であることは重要な事情ですが、日中であればどれだけ大きな騒音を出してもよいという意味ではありません。特定建設作業には騒音値や作業時間等の基準があります。また、法律の対象外であっても、防音措置や作業方法について施工会社へ相談することはできます。

市役所に電話すれば工事を止めてもらえますか?

相談しただけで直ちに工事が停止されるわけではありません。自治体は、工事内容や規制対象の有無、騒音の状況などを確認します。規制基準に適合せず周辺の生活環境が著しく損なわれるなど一定の要件を満たす場合には、改善勧告等の制度があります。

施工会社に名前を知られず匿名で苦情を言えますか?

施工会社や自治体の対応によりますが、相談者の氏名を工事業者へ伝えずに状況を確認してもらえる場合があります。匿名を希望する場合は、相談時にその旨を伝えてください。ただし、具体的な場所や被害状況を確認するため、一定の情報提供が必要になることがあります。

日曜日に工事をしています。違法ですか?

すべての工事について日曜日の作業が一律に禁止されているわけではありません。騒音規制法上の特定建設作業については原則として日曜日・休日に作業しないという基準がありますが、一定の例外もあります。また、一般的な工事については自治体の条例やマンション規約等を確認する必要があります。

工事現場から振動も伝わってきます。どこへ相談すればよいですか?

市区町村の環境・公害担当窓口では、騒音だけでなく振動規制について相談できる場合があります。施工会社へ騒音・振動の両方が発生していることを伝えるとともに、改善しない場合は自治体へ工事場所、発生時間、振動の状況等を伝えて相談してください。

まとめ

工事の騒音がつらくても、現場で働いている作業員へ直接苦情を言う必要はありません。隣地の建築・解体工事であれば施工会社や現場責任者、マンション内の工事であれば管理会社・管理組合、大規模工事であれば元請会社や工事窓口など、工事を管理している立場へ伝える方法が適切です。

さらに、騒音規制法上の特定建設作業に該当する可能性がある場合や、早朝・夜間の工事、大きな騒音・振動が長期間続いている場合には、市区町村の環境・公害担当窓口へ相談することもできます。

相談する際には、「工事がうるさい」という一言だけではなく、騒音が発生した日時、音の種類、継続時間、生活への影響、これまで施工会社へ相談した経緯を記録しておきましょう。それでも改善されない場合には、施工会社・建築主・管理会社等へ書面で改善を求める方法もあります。

参考サイト

工事騒音・特定建設作業の規制内容を確認するための公的な資料です。

内容証明代行室