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いじめにおいて学校が対応しないと言われる理由とは?

いじめにおいて学校が対応しないと言われる理由とは?

子どもがいじめを訴えているのに、学校へ相談しても「様子を見ます」「いじめとは確認できません」「学校では対応できません」と言われると、保護者としては「なぜ動いてくれないのか」と強い不安を感じます。しかし、学校が対応していないように見える理由には、事実確認に時間がかかっている場合、対応内容を保護者へ詳しく説明できない場合、情報共有が不足している場合、いじめの捉え方を誤っている場合など複数の事情があります。本記事では、学校が対応しないと言われる主な理由と、保護者が確認すべきポイント、対応が不十分な場合の進め方を整理します。

  • 「すぐ結果が出ない」ことと「何もしていない」ことは分けて考える
  • 学校がいじめの定義を狭く捉えていると、認知や対応が遅れることがある
  • 担任だけで抱え込み、学校いじめ対策組織へ共有されていないケースに注意する
  • 加害側児童生徒への具体的な指導内容は、個人情報等の理由から詳しく説明されない場合がある
  • 学校へは「何を確認し、誰が担当し、次に何をするのか」を具体的に尋ねる
  • 対応が進まない場合は、校長・学校設置者・教育委員会等への書面による申入れも検討する

学校が対応しないと言われる理由|まず結論

学校が「対応してくれない」と感じる場面には、大きく二つあります。学校が事実確認や校内協議を進めているものの、その過程が保護者から見えない場合と、情報共有不足やいじめ認知の誤りなどにより、本来必要な対応が進んでいない場合です。

そのため、最初から「学校は隠蔽している」と決めつけるのではなく、学校が現在どの段階にいるのかを具体的に確認することが重要です。確認しても担当者、調査内容、今後の予定が示されない場合や、子どもの安全確保がされない場合には、より明確な申入れが必要になります。

「対応の有無」は行動で確認する

学校から「対応しています」と説明された場合は、誰が担当しているのか、何を確認したのか、学校いじめ対策組織で共有したのか、現在どのような安全確保を行っているのか、次回の説明時期はいつかを確認しましょう。抽象的な説明だけで終わらせないことが大切です。

理由1|事実確認に時間がかかっている

学校へ相談した当日に、すべての事情を確定できるとは限りません。本人、関係児童生徒、教職員等から話を聞き、必要に応じてSNSの画面やアンケート、過去の記録を確認するには一定の時間が必要です。

当事者双方の説明が異なる場合、事実確認には時間がかかります。ただし、「確認中」であっても、接触を減らす、見守りを増やす、相談できる教職員を決めるなど、被害を訴える子どもの安全確保は並行して検討されるべきです。

保護者は、「現在何を確認しているのか」「確認中の安全をどう確保するのか」「次の説明時期はいつか」を尋ねると状況を把握しやすくなります。

理由2|学校が「いじめ」と認識していない

学校の対応が遅れる理由として注意したいのが、いじめの捉え方です。「一回だけだからいじめではない」「ふざけ合いだった」「本人も言い返している」「けんかなので双方に原因がある」といった説明だけで、いじめの可能性を検討しないことは適切とはいえません。

いじめ防止対策推進法上のいじめは、暴力だけを意味するものではなく、一定の人的関係にある他の児童生徒から心理的または物理的な影響を受け、対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものを広く対象としています。インターネットを通じた行為も含まれます。

したがって、学校へ相談する際には「いじめだと認めてください」という結論だけを求めるのではなく、「この行為について、いじめ防止対策推進法上のいじめに当たる可能性をどのように検討したのか」と確認すると論点が明確になります。

「双方に言い分がある」ことと、いじめの確認は別です

児童生徒同士に別のトラブルが存在する場合でも、特定の行為によって一方が心身の苦痛を感じているのであれば、その行為についていじめに該当する可能性を確認する必要があります。別のトラブルがあることだけを理由に、いじめの確認自体を行わないことは避けるべきです。

理由3|担任だけで抱え込み、校内共有が進んでいない

保護者は「学校に相談した」と考えていても、実際には担任との電話や面談だけで情報が止まり、管理職や学校いじめ対策組織へ十分に共有されていないことがあります。担任が熱心に対応していても、一人で関係者への聴き取り、安全確保、保護者対応まで行うには限界があります。

いじめ防止対策推進法は、学校に対して、複数の教職員や必要に応じて専門家等で構成する、いじめ防止等の対策のための組織を置くことを求めています。いじめの疑いに関する情報を組織で共有し、対応方針を検討することが重要です。

学校へ相談した後は、「この件は学校いじめ対策組織へ共有されていますか」「管理職は把握していますか」「今後の対応方針は誰が決めていますか」と確認すると、個人対応のまま止まっていないかを把握しやすくなります。

理由4|対応していても保護者から見えにくい

学校が加害側とされる児童生徒へ聴き取りや指導を行っていても、その内容を被害側の保護者へすべて説明できるとは限りません。他の児童生徒に関する個人情報や教育上の配慮があるため、「相手にどのような指導をしたのか」「どのような処分をしたのか」を細部まで回答しない場合があります。

その結果、保護者からは「何もしていない」と見えることがあります。この場合は、相手への指導の細部より、被害児童生徒の安全確保、再発防止策、再発時の連絡体制を確認することが重要です。

学校から言われやすい説明確認したいポイント
「現在確認しています」確認事項、担当者、安全確保、次回説明時期
「相手にも指導しています」被害児童の安全確保と再発防止策
「個人情報なので答えられません」答えられない範囲と、被害側へ説明できる対応内容を分けてもらう
「様子を見ます」何を、誰が、いつまで見守り、再確認するのか
「いじめとは確認できません」確認した事実と、いじめに該当しないと判断した理由

理由5|相談内容が抽象的で確認の手掛かりが少ない

学校へ「毎日いじめられているようです」とだけ伝えても、日時、場所、行為、関係する児童生徒などが分からなければ確認が進みにくいことがあります。被害が軽いという意味ではなく、事実確認の手掛かりが不足しているという問題です。

特に匿名の申入れでは、追加で事情を聞きたくても学校から相談者へ確認できず、調査が進みにくくなることがあります。氏名を出すことに不安がある場合でも、少なくとも「いつ頃」「どこで」「どのような行為があったか」「現在も続いているか」といった具体的な情報を整理するとよいでしょう。

LINEやSNSの画面、写真、子どもが記録したメモ、欠席・遅刻の状況、学校へ相談した日時などがある場合は、原本を保管しつつ、必要な範囲で学校へ提示する方法があります。

「学校が対応しない」で済ませてはいけないケース

一方で、学校側の事情だけでは説明できない対応の遅れもあります。いじめを受けていると思われる児童生徒がいる場合、学校には速やかな事実確認が求められています。相談を受けても長期間何も確認しない、安全上の危険があるのに放置する、情報を担任だけで抱え込むといった状態であれば、対応の見直しを求める必要があります。

文部科学省も、いじめの積極的な認知、早期発見・早期対応、学校いじめ対策組織を中心とする組織的な対応の徹底を求めています。したがって、「子ども同士のことだから学校は関与しない」「証拠が完全にそろうまでは何もしない」といった対応で安全確保まで停止することは、慎重に見直されるべきです。

暴力、金銭要求、脅し、性的な被害など犯罪行為として扱うべき可能性がある場合や、生命・身体・財産に重大な被害が生じるおそれがある場合には、学校だけでなく警察等との連携も検討されます。

学校に確認したい5つのポイント

学校から「対応しています」と言われても状況が分からない場合は、抽象的に「もっとしっかりしてください」と伝えるより、確認事項を分けて質問する方が状況を把握しやすくなります。

  1. 学校として把握した事実を確認する いつ、どこで、どのような行為があったと把握しているのかを確認します。
  2. 校内の共有状況を確認する 担任だけでなく、管理職や学校いじめ対策組織へ共有されているかを尋ねます。
  3. 現在の安全確保を確認する 被害児童生徒が再び被害を受けないため、誰がどの場面を見守るのかを確認します。
  4. 今後の対応予定を確認する 追加の聴き取り、保護者連絡、校内協議など、次に行う対応を確認します。
  5. 次回の説明時期を決める 「また何かあれば連絡します」で終わらせず、いつ頃進捗を説明してもらえるか確認します。

学校の対応が進まない場合の手順

具体的に確認しても学校の対応が進まない場合は、相談先や伝え方を段階的に変える方法があります。最初から強い表現の文書を送るのではなく、これまでの相談経過を整理したうえで進めることが大切です。

  1. 相談履歴を整理する 相談日、相手、伝えた内容、学校からの回答、現在の被害状況を時系列でまとめます。
  2. 担任以外にも共有を求める 校長・教頭等の管理職や学校いじめ対策組織へ正式に共有されているか確認します。
  3. 書面で要望を提出する 事実確認、安全確保、再発防止、回答してほしい事項を具体的に記載します。
  4. 学校設置者等へ相談する 公立学校では教育委員会など、学校の設置者側へ学校の対応状況を伝える方法を検討します。
  5. 外部機関への相談を検討する 暴力等がある場合は警察、法的紛争や損害賠償まで検討する場合は弁護士など、内容に応じた相談先を選びます。

重大な被害が生じた疑いがある場合や、いじめを理由として相当期間の欠席を余儀なくされている疑いがある場合は、通常の校内対応だけではなく、いじめの重大事態に該当する可能性についても確認が必要です。

書面で学校へ対応を求めるときのポイント

電話や面談を重ねても説明が曖昧な場合は、学校へ書面で申し入れる方法があります。書面にすると、保護者が何を伝え、学校へ何を求めたのかを整理しやすくなります。

書面には、感情的な非難を長く書くのではなく、事実と要望を分けて記載します。例えば、いじめが疑われる行為、発生日時、子どもへの影響、これまで学校へ相談した経緯、現在も続いている問題、学校へ求める対応を整理します。

  • いじめが疑われる具体的な行為と発生時期
  • 現在の子どもの心身・登校状況
  • これまで学校へ相談した日時と回答内容
  • 事実確認を求める事項
  • 登下校・休み時間・授業等で求める安全上の配慮
  • 学校いじめ対策組織での共有を求める旨
  • 今後の対応方針について回答を求める事項

より明確に通知した経過を残したい場合には、内容証明郵便を利用する方法もあります。ただし、内容証明郵便は学校に特定の結論を強制する制度ではなく、送付した文書の内容等を証明する制度です。目的は、事実関係と要望を整理し、正式に伝えた経過を残すことにあります。

行政書士へ依頼できる範囲

行政書士は、依頼者から事情を確認し、学校・教育委員会等へ提出する通知書や申入書の文案作成を支援できます。一方、相手方との代理交渉、損害賠償をめぐる交渉、訴訟代理などが必要な場合には弁護士への相談が適切です。

よくある質問

学校から「証拠がないので対応できない」と言われました。

いじめの疑いがある情報を受けた時点で、学校側が事実確認を行うことが重要です。保護者がすべての証拠を完成させなければ学校が何もできないというものではありません。いつ、誰から、どのような説明を受けたのかを記録し、学校として何を確認する予定なのか尋ねましょう。

「子ども同士のけんかなのでいじめではない」と言われた場合は?

双方に言い分があることだけで、直ちにいじめの可能性がなくなるわけではありません。問題となっている具体的な行為ごとに、どのような事実を確認し、いじめに当たらないと判断したのか説明を求める方法があります。

加害側への指導内容を学校が教えてくれません。

他の児童生徒の個人情報等により、指導内容のすべてが開示されない場合があります。その場合は、被害を受けた子どもの安全確保、再発防止、学校としての見守り方法など、自分の子どもに関係する対応を中心に確認しましょう。

担任に何度相談しても状況が変わりません。

校長・教頭等の管理職や学校いじめ対策組織へ共有されているか確認してください。それでも対応が進まない場合は、これまでの相談経過を書面で整理し、学校設置者や教育委員会等への相談を検討します。

学校への申入れを内容証明で送れば必ず対応してもらえますか?

内容証明郵便を送ったからといって、学校の対応や調査結果が保証されるわけではありません。ただし、どのような事実と要望をいつ通知したのかを記録として残す方法の一つになります。

まとめ

いじめについて「学校が対応しない」と感じる理由には、事実確認に時間がかかっている、対応内容が保護者から見えにくい、相談内容が抽象的で確認に必要な情報が不足しているといった事情があります。一方で、学校がいじめの定義を狭く捉えている、担任だけで情報を抱え込んでいる、安全確保や事実確認が長期間進んでいないなど、本来の対応が十分でない場合もあります。

大切なのは、「対応している・していない」という抽象的な言い争いにせず、学校が把握した事実、校内共有の状況、現在の安全確保、今後の対応予定、次回の説明時期を具体的に確認することです。それでも状況が進まない場合は、相談経過を整理し、管理職、学校設置者、教育委員会等への書面による申入れを検討しましょう。大倉行政書士事務所では、学校や教育委員会へ提出する通知書・申入書、内容証明郵便の文案作成を全国対応でサポートしています。

参考資料

いじめ対応や学校の対応義務を確認するための公式情報です。

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